「遍照金剛言うな」という言葉の意味を知っていますか?言葉には、言霊(ことだま)があると言われているように、意味を知っておくことが大切です。
この記事では、「遍照金剛言うな」の意味や理由について、詳しくまとめていきます。
「遍照金剛言うな」とはどういう意味?
「遍照金剛言うな」とは、言い訳や理屈をこねる人に対して用いられる言葉であり、「言い訳をするな」「言葉を飾るな」「ごちゃごちゃ言うな」という意味が含まれます。
特に、何か問題が起きた際に責任転嫁や言い逃れをする人に向けて用いられることが多く、直接的な指摘や注意をすることなく、その人の言動を遠回しに批判する際にも使用されます。
「遍照金剛言うな」の言葉の由来と理由
「遍照金剛言うな」の「遍照金剛」が何なのか気になりますね。由来と意味をクリアにしていきましょう。
南無大師遍照金剛とはどういう意味?
南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)は、密教における真言の一つで、観音菩薩が持つ宝珠に宿る金剛力士を表す真言です。この真言は、遍照金剛(へんじょうこんごう)とも呼ばれます。
遍照金剛は、宇宙のあらゆるものを照らし、浄化するという力を持っているとされ、また、人間にとっての迷いや悩みを断ち切り、心を清める力もあるとされています。
密教においては、真言を唱えることで、自己の内面を磨き、仏性を開くことを目指す修行が行われます。南無大師遍照金剛も、真言の一つであり、その意味や力を信じる人々によって、広く信仰されています。
「遍照金剛言うな」はいつから使われているの?
この言葉が使われるようになったのは、江戸時代の庶民の間で広がったとされています。当時、江戸の町で屋台を出して商売をする人たちが、お客さんとのトラブルを避けるために、口論になった際に「遍照金剛言うな」と言い、相手をなだめたという話が伝わっているため、現在でもトラブルを回避する言葉として用いられることがあります。
遍照金剛とはどのような存在なのか?
遍照金剛とは、密教における金剛界五大明王の1つであり、護法・加護の象徴とされています。
遍照金剛は、密教において、智慧と不動の力を持った菩薩・金剛薩埵の一つであり、仏教においては、般若心経に登場する観世音菩薩の心性を表しています。金剛力士とも呼ばれ、不動明王の右脇に立ち、両肩には宝珠と法器を持ち、全身に金剛杵や剣が装飾されています。遍照金剛は、明るい光を発し、悟りの光を照らし、悟りの障壁を取り除くことができるとされています。
密教においては、遍照金剛は特に「不動明王の法身」として崇められており、金剛力士の中でも特に重要視されています。また、悟りを求める修行者が、遍照金剛の名を唱えることで、智慧や不動の力を得ることができるとされています。
まとめ
「遍照金剛言うな」の意味と言葉の由来をご紹介しました。言葉には力が宿っていると言われているため、普段使う言葉にも意識してみましょう。